タグ一覧:国会, 大学改革, 学費・奨学金, 就職問題, 文科省, 理事校会議, 財務省
2016.02.15
大変遅くなりましたが、皆さま、あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。 2016年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
全院協では、12月3日、4日に省庁・政党・国会議員を開催しました。ご参加いただきました皆様、大変お忙しい中、平日にもかかわらずありがとうございました。今回の要請では過去最大規模の政党要請を行うことができました。参議院選挙へ向け、どこの政党も大学生・大学院生の経済困窮問題に関心を強く持ち、その改善に意欲を示していたように思います。特に、大学院生もアルバイト漬けになり研究に支障を感じているという声、大学院生の抱える借金の重さとその精神的負担については非常に多くの関心を集めました。
この一年で、学生の経済問題に対する社会的認知や関心は大き く前進しました。全院協でも 1 月から、民主党の主催する「若者と共同作業で政策作りを進める会」に参加し、国会議員の方はじめ多くの方と、大学政策について意見を交換する機会をいただきました。
さらに国会でも、本会議に出席されていた斎藤よしたか議員が、全院協のアンケート調査をもとに大学院生の実態について取り上げるなど、今年の夏に予定される参議院選挙へ向け、具体的な政策レベルで奨学金問題を取り扱おうという機運が高まっています。 ただ、 「若者と共同作業で政策作りを進める会」会議で多くの学生と議論する中で改めて感じたのは、今日 本の学生・高校生が何のために大学へ行くのかという根本的な姿勢への疑問です。
大学へ行く目的は個々人の目指すところがありますが、そこに強くあるのは個人としての利益です。就職に有利だから大学へ行く。大学院へ行く。しかし学費を払いたくないから博士課程へは行かない。実のところ私自身も、就職に有利そうだからという理由から工学系への進学を決めました。本来的には、大学は国の中での高等教育への担い手として、公共財としての性格を有しており、個人の経済的インセンティブによって進学するか否かが決定されるべきではありません。そんな 大学の在り方に対して、個人の経済的な問題を持ち込み、大学への進学を個人の責任に押しとどめている中で出てきているのが、現在の高学費、借金しかない奨学金、そして学生が追われるいわゆる「ブラックバイト」ではないのでしょうか。
大学生がアルバイトに追われることも、借金の不安を抱くこともなく大学で意義深い学びをすること自体が、 社会として目指すべき方向となることを願ってやみません。全院協は3月で代替わりとなりますが、来年度もよろしくお願いします。
2015年度全国大学院生協議会議長 藤村治